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石巻工房ニュース - KOBO NEWS - Vol.38

 

みなさま、変わらずお過ごしでしょうか。

石巻工房より、ひさびさのメール配信となります。

今後は、石巻工房近くの”Ishinomaki Home Base”の情報なども合わせてメールを配信させていただきます。

We hope all of you are doing well.

It has been a long time since we have sent out an email newsletter from Ishinomaki Laboratory. Please stay tuned for more information to be shared soon about "Ishinomaki Home Base" and related matters.

石巻工房ニュース - KOBO NEWS - Vol.38のコンテンツは以下となります。
The contents of Ishinomaki Laboratory's newsletter - KOBO NEWS - Vol.38 are as follows:

CONTENTS

 

◼︎ 使用樹種の変更と価格改定について

◼︎ 2 days at Ishinomaki Laboratory: 10/21-30 DESIGNART TOKYOへ出展

◼︎ Column 工房長のサイケデリックな日々 Vol.35

 

◼︎ Change in species of wood used and price revision

◼︎ 2 days at Ishinomaki Laboratory:10/21-30 Exhibited at DESIGNART TOKYO 2022

◼︎ Column: Chiba’s Psychedelic Days Vol.35

◼︎ 使用樹種の変更と価格改定について

Change in species of wood used and price revision

 

世界情勢の様々な要因によって現在の主要樹種であるウェスタンレッドシダーの入手が困難な状況となり、この度、8月より国産材を主とした使用樹種へ変更させて頂きました。国産材を使用することで、サステナブルな物づくりへも貢献できればと考えております。

国産材を主とした使用樹種については、以下の3樹種となります。

 

Due to various factors in the world situation, it has become difficult to obtain Western Red Cedar, which is currently our main species of wood, and we have changed the species of wood we use to mainly domestic species of wood from August. By using domestic species of wood, we hope to contribute to sustainable manufacturing.

The following three species of wood will be used as the main wood species used in our products.

宮城県くりこま産の燻煙乾燥杉

くりこま産の燻煙乾燥杉は、屋外使用には適しませんが、燻製乾燥処理をすることで防虫効果も高いのが特徴です。地元宮城県産の木材です。

Smoke-dried cedar from Kurikoma, Miyagi Prefecture

Smoke-dried cedar from Kurikoma is not suitable for outdoor use, but it is highly resistant to insects due to its smoke-drying treatment. It is locally produced in Miyagi Prefecture.

屋久島地杉(屋久島の麓で植林後30年~60年の地杉)

屋久島地杉は、本州北部の杉に比べて成長速度が1/3ほどで、木目が緻密になります。また、多湿な環境下で 生育するため、油分が多く、朽ちにくい特性があり、日本のレッドシダーとも呼ばれる木材です。

Yakushima Jisugi (Japanese cedar 50 to 100 years old after planting at the foot of Yakushima Island)

Compared to cedar trees in the northern part of Honshu, Yakushima Jisugi grows about 1/3 faster and has a denser grain. It is also known as “Japanese red cedar” because of its high oil content and resistance to decay due to the humid environment in which it grows.

レッドシダーのノンフィンガージョイント集成材

ノンフィンガージョイント集成材(レッドシダー)は厚さ25mmの板材です。狂いがなく均一で、製造方法も丸太の余分な部位から切り出されるものを使用しており、無駄がないため、サステナブルな素材といえます。特にAAシリーズは、サイズ・特性共に最適な材料です。

Non-finger-jointed laminated timber of red cedar

Non-finger-jointed laminated timber (red cedar) is a 25mm thick board. It is a sustainable material because it is uniform without deviation and the manufacturing method uses pieces cut from extra parts of the log, so there is no waste. The AA series in particular is an optimal material in terms of both size and characteristics.

なお、従来のウェスタンレッドシダーをご希望の場合は、別途お見積もりにて対応させて頂きます。
この度の使用樹種の変更と合わせて、商品によっては一部価格改定を行なっております。使用樹種を変更することにより、価格の上昇を最小限に抑えているところでございますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
今後とも石巻工房をご愛顧を承りますよう宜しくお願い申し上げます。

If you would like to use conventional Western Red Cedar, we can provide a quote separately.
In conjunction with this change in the species of wood used, we have revised the prices of some of our products. We are trying to minimize price increases by changing the species of wood used, and we appreciate your understanding in this matter.
We look forward to your continued patronage of Ishinomaki Laboratory.

◼︎ 2 days at Ishinomaki Laboratory: 10/21-30 DESIGNART TOKYOへ出展
2 days at Ishinomaki Laboratory:10/21-30 Exhibited at DESIGNART TOKYO 2022

 

この度、 石巻工房は赤坂の料亭跡地を舞台に DESIGNART TOKYO 2022 に参加し、7人のデザイナーによる新作発表を行います。

石巻工房が発足し野外映画館のための石巻ベンチが作られて以来、11 年が経ちました。現在は石巻に工房を構えつつも、国内ではカリモク、海外ではデンマークの MENU といった著名な家具ブランドとのコラボレーションを含めた 10 カ国によるメイド・イン・ローカルプロジェクトによって、石巻工房のコンセプトと商品は世界中に広がっています。


今回は 11 年前に始まったワークショップによる デザインという原点に立ち帰り 7 人の建築家、デザイナーを石巻に招き、寝食を共にしながらデザインを行いました。その間デザイナー同士、また職人とのコミュニケーションを通してより美しく、使いやすいプロダクトに作るべく試行錯誤の末、11 種類のデザインが生まれました。

今回のコレクションは、石巻工房に近接したゲストハウス、石巻ホームベースに置くプロダクトを想定しています。私たちは、ゲストハウスに滞在し、工房に通うことでリアリティーのある利用シーンを想像しながらデザインを行いました。

また同会場にて、5 日間限定で千駄木のスペシャルティコーヒー専門店 ignis が石巻工房の家具を使った ポップアップカフェを展開します。あわせてお楽しみください。

展示タイトル:2 days at Ishinomaki Laboratory
会期:10月21日(金)〜30日(日) 10日間
営業時間:11:00〜19:00
会場:KAISU 東京都港区赤坂6-13-5
ignisポップアップカフェ:10月21日、22日、23日、29日、30日 5日間

 

デザイナー
芦沢 啓治 
イトウ ケンジ(MUTE)
熊野 亘 
寺田尚樹 
トラフ建築設計事務所
ノーム・アーキテクツ 
藤城 成貴

Ishinomaki Laboratory will participate in DESIGNART TOKYO 2022 at an old ryotei (traditional Japanese restaurant) site in Akasaka, Tokyo, where 7 designers will present their new prototypes. 11 years have passed since Ishinomaki Laboratory was established and the ISHINOMAKI BENCH for the open-air movie theater was created. While the brand is located in Ishinomaki, the concept and products of the Ishinomaki Laboratory have spread around the world through Made in Local projects in 10 countries, including collaborations with well-known furniture brands such as Karimoku in Japan and MENU in Denmark. Returning to the origins of workshop-based design that began 11 years ago, the designers were invited to Ishinomaki to work closely together on the design process. Through communication among designers and craftspeople, 11 different designs were created through a process of trial and error to create engaging and easy-to-use products. The collection envisions the products to be placed at Ishinomaki Home Base, a guest house located near Ishinomaki Laboratory. We stayed at the guest house and went to the workshop to design and develop the product while imagining their realistic usage scenarios. In addition to the exhibition, a pop-up café using furniture from Ishinomaki Laboratory will be opened by Sendagi’s specialty coffee shop “ignis” at the same venue for 5 days only. We welcome you to enjoy both aspects of the event.

Exhibition title: 2 days at Ishinomaki Laboratory
Dates: October 21 (Fri.) – 30 (Sun.), 10 days
Opening hours: 11:00-19:00
Venue: KAISU 6-13-5 Akasaka, Minato-ku, Tokyo
ignis Pop-up Cafe: October 21, 22, 23, 29, 30 (5 days)

Designer
Keiji Ashizawa
Kenji Ito (MUTE)
Wataru Kumano
Naoki Terada
TORAFU ARCHITECTS
NORM ARCHITECTS
Shigeki Fujishiro

 

 

(Photos by Rino Kawasaki)

◼︎メディア掲載
Media Features


(en) NHK World Japan
        The Signs:Designing Furniture and Futures

 

◼︎ Column 工房長のサイケデリックな日々 Vol.35
 

「プロフェッショナル」

(脳内BGMはスガシカオのProgressでしょ⁈)

 

 

2022年1021日から赤坂で開催される、

2days at Ishinomaki Laboratory 

 

今回集まった7人(+1人)のデザイナーを目の当たりにして、

率直に感じた事がある。

 

それはプロとしての熱量。

 

当人達にとっては、当たり前の事ではあるのだけれど、

私にとっては新たな発見であり、

長年もがいていた自分と折り合いを付けるきっかけとなった。

 

自分は何者なのか?

自問することが多くなったのには訳がある。

 

昼間は家具屋の工房長であり、

時にはゲストハウスのリネン係であり、

夜はビアガーデンの店主であり、

週末は鮨屋の職人だったりする私ではあるのだが、

この10年で軸足がどこにあるのかが正直分からなくなっていた。

その結果、

「忙しさ」を理由にすべてのことを中途半端にこなしては放置する、を繰り返すことになる。

 

思考はネガティブ化し、満足な成功体験も得れずに自己嫌悪に至る悪循環が始まり、

休みの日にはYouTubeで現実逃避。

iPhoneからは、「前の週よりも画面を見ている時間が75%増えましたよ~」などと言われる始末。

問題を認識していて、何ら手を打たないのはネグレクトだよと指摘されても、

どこ吹く風よ?と斜に構えていた。

 

そんな状況だった事もあり、

初めに芦沢からワークショップの話を聞いたときは、

そのただならぬ情熱を感じつつも、

「あぁ、また仕事が増えちゃうな…」と、正直、そう感じてしまったのは事実だ。

 

本来ならば、

「忙しさ」の中にこそ面白さを発見する有意義な機会であるはずなのに、

その余裕さえも失っていた。

 

ワークショップ(WS)当日、

デザイナー達を迎える準備を整えながら、

昼食やらコーヒーやらの手配、

前日にゲストハウスに泊まっていたお客さん相手に木工WSもしなければならず、

こりゃまた中途半端になるなと考えながらあちこち動き回っていたのだが、

集まったデザイナー達が持ち寄ったデザインを壁に貼り付け戦略を練っていたのを目にしたとき、その姿を見て私は衝撃を受けた。

 

彼らはプロとしてここに集まり、デザインに真摯に向き合っている。

デザイナーという同業者が集まり、切磋琢磨し、

デザインの純度、完成度を高めるのは当然の成り行きではあるのだけれど、

皆のその目の輝きが本気であり、

何よりも心の底から楽しんでいる。

互いに尊重しあっている様を垣間見て、プロの片鱗を感じたのだ。

 

そんな事今更?と思うかもしれない。

どんな仕事だって、誰だって皆そうしてるでしょ?

 

その部分を見ている、知っているつもりだっただけで、実は見えていなかったのだ。

見ようと思わなければ見えないという事に気付けたのは幸運だったと思う。

 

やはり、ダンブルドアは正しい。

 

私は、2日間のWSを無難にこなして丸く収めることだけを考えていた自分を恥じた。

 

自分は何者でも無いというところから考えてみよう。

そうなると自分の役割はなんだ?

 

工房長というオペレーションを司るプロとして。

鮨職人という接客ともてなしのプロとして。

リネン係という快適を提供するプロとして。

デザインを形にする木工職人のプロとして。

 

全てを100%完璧にこなせる訳では無いけれど、

その姿勢で挑むことは、自分にとっても彼らにとっても有意義なはずだ。

そして楽しくなるに違いない。

 

翌日、

朝のミーティングに同席して更なる衝撃を受けた。

 

プロダクトデザインだけではない、

多方面に渡ってそれを魅せるための思考戦が繰り広げられていた。

会場構成から始まり、タイトル決め、お客さんの動線…

写真を撮るためのアングルはこの方向がベストになるでしょ?

だとして配置はこうじゃない?

インスタに載せるだろうから、

この並びでないと全て収まらないね…

等など、様々な意見が飛び交い、プランニングがどんどん更新されていく。

 

DM用の写真撮影も同様だった。

今回は地元のカメラマンに来て頂き撮影を行なってもらったのだが、

そのカメラマンもまたプロ。

 

デザイナーの要望に応えながら、

プロとしてシャッターボタンを押してゆく。

 

その場にいた全てのプロ達が織りなす、

テンポ、熱量、情熱、創造。

 

 

プロフェッショナルとは...

 

 

常に振り切る事。

(良い意味でバカになる事)

 

 

あと一歩だけ前に踏み出して、

振り切った先にある面白さを見つけよう。

人生、楽しんだもの勝ちなのだから。

 

 

 

※7人(+1人)(+1人)とは、

MIRU DESIGN の青木 さんです。

彼もまた、

その道のプロとして今回の展示会に多大なる尽力を注いでおります。

 

 

 

渡波字栄田164-3, 石巻市, 宮城県 986-2135, Japan


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